ダンベルは省スペースで様々な効果的なトレーニングが可能で、かなり重宝する製品です。しかし、高重量になるにつれスタートポジション(オンザニーやショルダープレス等のセットポジション)に持っていくまでに身体への負担が大きくなるのと製品落下の危険が伴います。
高重量でダンベルトレーニングを行う方は必ずこの悩みにぶつかるはずです。
今回は、海外に多数あるダンベルスポッターについて紹介と考察レビューしていきます。
目次
実際に使用したダンベルスポッター セーフティー
SPOT GRIPS
SPOT GRIPSは以前からずっと気になっていた製品です。今回メーカーと交渉しGentlemanFitnessClubの製品ラインナップに入れることにしました。
メリット
- 片方90kgまでのダンベルを保持できる頑丈な構造
- ロックレバーの上げ下げで任意で所定の位置に簡単に固定できる
- ベルトの長さが調整できるので、ダンベルのセットが容易にできる
デメリット
- 価格が高い
- 製品を吊るす物(ラック等)がないと使用できない
- 製品が頑丈作りのため製品重量が少し重い(約4.5kg)
様々なダンベルスポッターを調べたが、このSPOT GRIPSはかなり考えられて作られているなと思いました。高重量のダンベルを扱う上で一番ネックになるスタートポジションの設定が容易にできるポイントがとても優れています。
ロックレバーを握ってロック解除、ロックレバーを離してロック。ダンベルが落ちることもなくショルダープレス、ダンベルベンチプレスが行えます。
それとダンベルセットがとても楽です。このポイントもかなり高評価です。244㎝までベルトが伸びるので置いてあるダンベルにフックを引っ掛けてセットもできるし、所定の位置に固定しているフックにダンベルをセットすることも出来ます。
ただ製品自体を引っ掛けるところがないと使用できない製品なので、その点は使える人が限られてしまうかと思います。 詳しくは動画でも紹介しています
VERSA SPOT
https://www.instagram.com/versaspot_dumbbellspotter/
こちらの製品はROGUE経由で購入し、実際のROGUEのMONSTERシリーズのスクワットスタンドに取り付けて、クイックロックダンベルで使用していた時期がありました。
メリット
- 横幅の調整が出来て取り付けが簡単
- ダンベル片方の耐荷重が113kgありかなり頑丈
デメリット
- スポット部分が丸い形状なのでクイックロックダンベルでは使いづらい
- スポット部分が長く、ダンベルが引っかかりやすい
- 高い位置へのセッティングがしづらい
この製品に関してはデメリットに記載したダンベルが引っかかる点が一番ネックでした。ショルダープレス・ベンチプレスともにラックアップの際に引っかかってしまい上げづらく、戻しづらく感じ、使用するのをやめてしまいました。
このダンベルのラックアップについて補足ですが、バーベルのラックアップの感覚とダンベルのラックアップは感覚が全く違います。
バーベルは1本のバーなので両手・背中・足の力がうまくバーベルに伝わりますが、ダンベルの場合左右独立しているので両手・背中・足の力の伝わり方も分散されます。そのため高重量になると、かなりラックアップが難しくなります。このダンベルのラックアップの感覚は、日本では器具が無いので分かる人が少ないと思いますが、やってみるとかなり難しいです。
Power Hooks by Country Power Inc.
メリット
- フックにダンベルを簡単にセッティングできる
- 価格が安価で、軽量で取り回しがしやすい
- フックを引っ掛けて固定するわかりやすい構造
- 片方の耐荷重が80kgある
デメリット
- フックを引っ掛けるのにコツがいる
- ダンベルプレス中にフックが当たってしまう可能性がある
- ショルダープレスの高さまでセッティングするのが大変
Power Hooksは実際に使用している時期がありました。ただ、記載したデメリットの部分が気になり最終的には使用しなくなりました。製品の構造自体はシンプルでとてもいいと思います。ダンベルベンチではハの字の角度にしたり、工夫すれば使えますがバーに戻すのに少しコツがいりました。
悪くないけど、自分の求めている製品レベルまでいかなかったです。
製品紹介・考察レビュー
IRON MASTER Dumbbell Spotting Stand for SB/PRO
https://www.ironmaster.com/products/dumbbell-spotting-stand/
アイアンマスターのベンチと組合わせて使用するダンベルスタンド。私自身、クイックロックダンベルを所持しており、この製品はとても気になっていました。
メリット考察
- 製品重量30kg 片方の耐荷重が59kgと頑強な仕様設計
- スタートポジションの高さ調整ができる
デメリット考察
- スタートはいいがダンベルを戻すのがかなり難しそう。スポッターの角が危ない
- ダンベルを落としてしまった際に、製品自体を傷つける可能性が高い。
- ダンベルを持ち上げてセットポジションにいくまでの失敗する可能性がある
最終的にこの製品は購入までは至りませんでした。理由としては、デメリット考察に記載したダンベルを戻して使用する設計になっていないと感じたからです。
個人的に、ダンベルスポッターに求める最低条件は高重量のショルダープレス、ベンチプレスが可能なことです。その点はクリアしていると思いますが、デメリット部分が気になってしまいました。
Power Spot
メリット考察
- ダンベルでもバーベルでも使用できる構造
- フック部分に引っ掛けるだけなのでセッティングが楽そう
- セーフティー構造もあるので安心できる
デメリット考察
- ほぼハーフラック並のスペースが必要になる
- 引っ掛けるフックの耐久性が気になる
製品としては、フリーモーションで動くし面白いなと思いました。バーベルとダンベルが兼用できる仕組みもいいと思います。 動画が10年以上前のものなので、おそらく今は製品がないと思います。
Free Spotter (shermworks)
メリット考察
- バーベル・ダンベルにも使用できる、SPOT GRIPSに似たロック構造
- ロープで吊り下げて使用できるので天井の梁などにも使用できる
- 究極に小スペースで使用可能
- コンパクトで価格が安価
デメリット考察
- 製品のデザイン性が低い
- セッティングがめんどくさそう
この製品は前述したSPOT GRIPSと概念は似ている製品だと思います。ロックグリップを握ってロックを外し使用する。このロープはかなり安っぽく見えるが、約450kg以上の耐荷重があるとのこと。
クイックロックダンベルの専用アタッチメントもあるようなので構造がとても気になります。製品自体は有名ではないが、使用されている方の評価はとても高いです。
個人的にこの製品はかなりマイナーですが(米国内でもマイナーな様子)、使用されている方の評価が高いのと、使用されている方の動画を見ると高重量でも問題なく使用出来ているので気になっています。
ロック構造がロックレバーを使用している点がSPOT GRIPSと同じなので直感的に使用できる感じがします。 ただ公式サイトが古すぎるのが致命的です…。
SPOTTER PRO
メリット考察
- シートベルトと同じロック構造を使用しているため、ベルトを伸ばしながらトレーニングができる。
- 取り付けが容易にできる
- ダンベル以外にも取り付けられる
デメリット考察
- ロックをするには一定の速度(勢い)が必要のためダンベル落下の危険がある
- 製品を吊るす場所がないと使用できない
ベルトの素材や引っ掛けて使用する点はSPOT GRIPSとかなり似ているがロック構造が全く違います。ダンベルトレーニングの際に勢いをつけてロックできるほどコントロールできれば問題ないですが、高重量でこの構造は危険だと思います。ただ製品自体のコンセプトは面白いです。
Titan Dumbbell Weight Bar Holders For T-2 Power Rack
メリット考察
- ラック取り付け型なのでラックのオプションで使用できる
- スタンド型、ベルトタイプよりも安価
- 位置を変えればショルダープレスも可能
デメリット考察
- 付け替えが面倒
- ダンベルの上げ戻しにコツが必要
Custom Dumbbell Trays
https://www.blackwidowtg.com/Custom_Dumbell_Trays_p/acc-dbtray.htm
Smart Spotter
https://rwjextremefitness.com/products
メリット考察
- 片方90kgまで保持できる耐荷重がある。
- 高さ調整が可能
- スポッター部分が上げやすく、戻しやすい形状になっている
デメリット考察
- 1600$と価格が高い
- ショルダープレスは行えない
この独立型のタイプの類似製品は多くあります。スポッター部分が稼働して上げ戻しをサポートする構造の製品もあります。
DD – 01 “The Drone”
REFLEX DUMBBELL SPOTTER STANDS
TITAN ADJUSTABLE DUMBBELL SPOTTER STAND
Strength Safe Dumbbell Safety Rack
https://www.strength-safe.com/product-page/dsr-2020
個人的な観点でのダンベルセーフティースポッター ランキング
- SPOT GRIPS 耐荷重、ロック構造、使いやすさのバランスが一番いい
- DD – 01 “The Drone” 稼働するスポット構造が素晴らしい。一度使ってみたい
- Free Spotter(shermworks) 製品構造がSPOT GRIPSと似ているので使いやすそう
- Power Spot フリーモーションの仕様が良く出来ていると思う
- Power Hooks コツはいるが、価格が圧倒的安価
おわり
日本にはダンベルのセーフティーという概念がないのか、製品自体全く見当たりません。私は、高重量で行うダンベルトレーニングが大好きなので、常にスタートポジション・セットポジションまでが簡単に行える製品がないか模索していました。
以前はスタートポジションにいくまでもダンベルトレーニングだ!と思っていましたが、高重量になるにつれ身体に掛かる負担も大きくなっていきました。今後とも長くトレーニングを続けていきたいので、腰を痛めてからはいかに安全かつ簡単にスタートポジションまで持っていけるかというポイントに重点を置いています。
アメリカでは10年以上も前から様々な製品が開発されていたのには驚きました。
気になる製品が何個かあるので可能なタイミングで仕入れてみたいと思っています。
今回紹介したSPOT GRIPSはGentlemanFitnessClubの公式サイトに展開していますのでよかったらチェックしてみて下さい(^^)
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